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うたた寝
「千鶴・・・?」
涼しげな風が頬を撫でてゆく感覚に、土方はぼんやりと天井を眺めていた目線を動かした。
開け放たれた障子戸から差し込む陽の光が濡れ縁を照らし、その向こうに見える庭では瑞々しい緑が素朴な風景を彩る。
蝦夷地の夏は京や江戸に比べると格段に過ごしやすい。
吹き抜ける風は爽やかで心地良く、こうして寝床に横になっているしかできない土方の身体に不快な蒸し暑さがまとわりつくこともない。
夏が過ごしやすい分、冬の厳しさは想像を絶するものがあるのだが、今は数ヶ月先の心配はしないでおこう。
現在の土方がしなければならないのは、千鶴に言われた通りに安静に日々を過ごし、疲れ果てた身体を癒すことだけなのだから。
しかし暇だ。
寝ているだけで何もできない状態は退屈で仕方ない。
寝てろと何度言っても何かやらかしていた沖田総司の気持ちがよく解る。
こんな時は千鶴と他愛無い会話に興じたいと思い、先程よりも強めに彼女の名を呼んだ。
大きくはない家の中、いつもなら土方の声に千鶴はすぐさま返事を返すはずなのに、この日は静寂だけが漂う。
そういえば、うたた寝をする前に千鶴が町に出掛けると言っていたことを思い出す。
どうやらまだ帰っていないようだ。
函館で新政府軍と旧幕府軍による長い戦争が終わり、土方と千鶴は大鳥や榎本の助けによってこの家を与えられ、新政府軍から隠れて暮らし始めた。
風間との最後の戦いの後、満身創痍となった土方は何日も眠りについていた為、彼が目覚めた時には全てが終わっていた。
仲間達がどうなったかは、千鶴が大鳥らから聞いた話によって知った。
新選組局長として、旧幕府軍の陸軍奉行並としての役割を終えた土方は、この小さな家で療養生活を送ることとなった。
この平穏な日々は、戦友達が土方に与えてくれた贈り物なのだと、言わずとも解る。
まったくお人好し共め、と苦笑を抑えられなかった。
新政府軍に捕らえられた自分達の身がどうなるのかも解らないのに、土方のために手を尽くしてくれた大鳥らの思いが何とも面映い。
生き残った仲間達は新政府軍に捕らえられ、土方の傍にはもう千鶴しか居ない。
そして彼女は満足に動けない土方を甲斐甲斐しく世話してくれていた。
こうして大怪我をして千鶴に世話を掛けてしまうのは、もう何度目だろうか。
彼女にはいつも心配ばかりさせてしまっているな、と己の不甲斐なさに自嘲する。
なのに、か弱い外見と裏腹に男顔負けに芯の強い娘はいつだって泣き言一つ言わず、土方のために小さな身体で懸命に働いてくれるのだ。
以前、土方が重傷を負った時もそうだった。
(ああ、何だか思い出すな・・・)
目を綴じれば脳裏に蘇ってくる、未だ色褪せることのない記憶。
怒涛の日々をこんなにも心穏やかに思い返せる日がくるとは、当時は思いもしなかった。
あれは一年以上前のこと。
新政府軍と旧幕府軍による戦の只中、宇都宮城で風間と戦った土方は壮絶なる死闘の末に大怪我を負った。
風間の振るう鬼殺しの刀は羅刹の治癒能力では治せない傷を与え、土方は数ヶ月もの療養を余儀なくされた。
その間、動けない彼を千鶴はずっと看病してくれた。
宿の者や医者の手も借りただろうが、若い娘に下の世話までさせてしまったのは申し訳なく思う。とはいえ、医者の娘である千鶴の手付きは慣れを感じさせ、土方は安心して彼女の手に身を委ねられたのだが。
静養する日々の中、土方の頭の中を占めていたのは新選組のことと、千鶴のことだった。
早く会津に向かい、新選組と合流しなければならないという焦りと共に、ふと気づけば千鶴のことも考えていたのだ。
宇都宮城での決闘で、これまで千鶴を狙っていた風間の目的が土方を倒すことに絞られたのが解った。
この先、風間は土方だけを狙ってくるはずだ。
千鶴の平穏を脅かすものが一つ消えたと言える。
(もう、解放してやらねえとな・・・)
今はまだ千鶴の手を借りなければ日常生活すら儘ならないが、土方は彼女を新選組から解放する日が近づいているのを感じた。
思えば長い年月、彼女を縛り付けてしまった。
当初は羅刹の姿を見られたから、雪村網道の娘だからという理由で新選組屯所に監禁した。
そして一年が過ぎ、二年が過ぎ ついには五年目を迎えようとしている。
その間に彼女の存在意義は監視対象から保護対象へと変わった。
これだけ長い年月を共に過ごせば、土方にも彼女への情が湧く。
こうして仲間達を会津へ向かわせた後も彼女だけは残したことからも、土方が如何に彼女を信頼しているかが解る。
戦場に立たせたくないというのもあるが、目の届くところに置いておきたかったのだ。
だがそれも、そろそろ終わりにするべきだろう。
今や羅刹の存在をひた隠す必要もなくなったし、彼女が軽々しくそれを口にする女ではないことなどとっくに解っている。一番の懸念である風間の標的も自分に変わった。
いつ、彼女を手放すべきだろうか。
現在戦の激戦地である会津は駄目だ。
仙台藩はこれからどうするつもりだろうか。
千鶴を残していくのに最も安全な場所を模索しているうちに、新選組は旧幕府軍とともに仙台に入った。
そこで千鶴は父親である網道と再会し、そして死に別れた。
仙台では日本に存在する羅刹が土方を除いて全て滅んだ。山南、平助と共に。
(潮時だな)
もう千鶴が新選組に居なければならない理由は無い。
仙台藩が新政府軍との戦に躊躇う様を見た土方は、次の戦場を見据えていた。
そしてそこに千鶴を連れては行けない。
何だかんだと別れを先延ばしにしてきたが、ここで手放さなければもう機会はないだろう。
それでももう少し。
あと少しだけ、彼女と共に居たい。
そんな未練がましい想いが、ギリギリまで千鶴に別れを切り出せないでいた。
■■■■■
「・・・・・・」
ふと眼を覚ました時、陽の位置が先程よりも西に傾いているのに気づく。
どうやらまたうたた寝をしていたようだ。
暇だ暇だと思っていても、身体はまだ休息を必要としているらしい。
風間から受けた刀傷はともかく、銀でもない銃弾の傷もなかなか癒えないところを見ると、いつしか己の身体から羅刹の力が弱まっているのを実感する。
これは変若水の毒が薄れたためか、それとも己の命が尽きようとしているのか。
できれば前者であってほしいものだ。
(まだ、あいつにしてやりたいことがたくさんあるんだ。もうしばらく持ってくれよ)
ずっと土方のために尽くしてくれた彼女に、自分ができることとは何だろうか。
最近はそればかりを考えている気がする。
自分に残された時間は多くは無い。
明日明後日に灰になるということはないだろうが、十年は持たないだろう。
その間に出来ること、残してやれることは何か。
(まずは、あいつが一生困らないだけの金か)
大鳥らが残していってくれた金品や土方や千鶴が持っていた分の金を上手く使えば、かなりの年月の間困らないだろうが、やはり金はあって困るものではないのだからもっと増やしてやりたい。
(厳しい冬を乗り越えられる手段も考えとかねえとな)
冬になれば雪に埋もれるであろうこの家に彼女一人を残すのは流石に心配だ。
松本良順への連絡は絶やさずにいなければならないだろう。彼のもとになら、仲間達の情報も届くだろうから。
(せめて千鶴の傍で支えてくれる手があればいいんだがな)
いずれ千姫が千鶴を探し当てるだろうが、京と蝦夷ではあまりに距離があり過ぎる。
いつかは蝦夷を出るべきだろうか。
一つ一つの問題を頭に浮かべてはいくつかの解決策を並べていくうちに、土方は思わずくつくつと笑いを漏らしていた。
近藤のために働いていた時といい、武士を目指した者達を導いていた時といい、自分は大切な何かのために策略を巡らせるのが余程好きなようだ。
千鶴が一生を穏やかに暮らせる環境を整えてやるまで、自分は決して死ねないだろうと確信してしまう。
ふと、玄関の方から物音がした。
上体を起こすと、身体の至る場所が痛みを訴える。
思わず毒づきつつ、土方は重い身体をよろめかせながら部屋を出た。
「土方さん! まだ寝てなきゃ駄目じゃないですか!」
両手に抱えた荷物を下ろし、ようやく一息ついた千鶴は部屋の奥から現れた人物に気づくや悲鳴のような声を上げた。
この家で暮らすようになってから、千鶴は五年もの間続けてきた男装をやめ、娘姿に戻った。
髪を緩く纏め、清楚な着物に身を包んだ彼女は土方の眼から見ても美しい女だと思える。
しかし、格好が変わっても相変わらず自分に向けられる瞳は一途で真っ直ぐだ。
「そんなに心配すんじゃねえよ。いつまでも横になってたら背中に根が生えちまうよ」
心配そうな表情で駆け寄った千鶴に冗談めかしてそう答えた土方は、寝所に連れ戻そうとする千鶴に首を振り、座らせろ、とばかりに床を指差す。
「・・・・・・少しだけですからね?」
言い出したらきかない土方の厄介な性格は、千鶴も長い付き合いでよく知っている。
下手に逆らうよりも、ここは気が済むようにさせた方が良いだろう。
土方を座らせると、千鶴は買って来た荷物の中から脇息を取り出し、土方に楽な体制を取らせた。
「こんなもん買ってきたのか」
「そろそろ土方さんが無茶をし始める頃かと思いましたので」
「・・・言うようになったじゃねえか」
にやりと口角を上げる土方に、千鶴は「まったくもう」と息を吐く。
「前は散々はらはらさせられましたからね」
宇都宮で重傷を負った時のことを彼女も思い出しているのだろう。
恨みがましげに睨みつける表情は懸命に自分が怒っているのだと主張しているようだが、土方の眼には可愛らしいとしか映らない。
つい手を伸ばして頭を撫でてやりたくなって心の赴くまま手を浮かそうとした時、玄関の扉を叩く音がした。
揃って扉に視線をやり、千鶴がどこか困惑した様子となる。
土方も厳しい表情で入り口を睨んだ。
(誰だ? こんな所に何の用だ?)
人里から外れたこんな場所に誰が訪ねて来るというのか。
「どちらさまでしょうか」と扉に向かう千鶴の後姿を追うように、土方は緩慢な動作で立ち上がった。
「ああ、やっぱりここがあんたの家なんだね?」
聞こえてきたのは聞き覚えのない男の声。
しかし、千鶴はその声の主に心当たりがあるのか、益々困った顔となる。
「あの、何故ここに?」
「町から尾けて来たんだ。千鶴さん、やっぱり俺と付き合わないか? こんな辺鄙な所で一人暮らしなんて危険だしさ、男手が必要だろ?」
「あの、私は一人暮らしではなくて」
「ああ、寝たきりの父親か何かいるんだよね。あんたの買い物見てたから何となく解ったよ。その人の世話もこんな所じゃ不便だろ? 俺の家に来いよ」
少しだけ開いた引き戸から大きな手が伸び、千鶴の手首を掴んだ。
土方の眉間に刻まれた皺が深くなる。
「あの、離して下さい!」
千鶴が声を上げるのと、引き戸が内側から開け放たれるのは同時だった。
「俺の妻に何か用か?」
「は? え? つ、妻?」
突然現れた役者のように整った顔を険しく歪めた男に睨みつけられ、千鶴の手を掴んでいた男はぽかんと口を開けた。
「俺の女に手を出すからには、相応の覚悟があるんだろうな?」
男の目から見ても見惚れてしまう美貌に冷酷さを浮かべ、純然たる殺気を向けられた青年は一気に顔色を青くした。
この男は危険だ。これ以上関わると殺される。
本能的にそれを察した青年は千鶴から手を離すと、ずさささっと後方に飛ぶように後退り、深々と頭を下げた。
「し、失礼しましたっ!」
そう叫び、脱兎の如く山道を駆け下りていく。
あまりのことに呆気に取られて青年を見送る千鶴の頭上から、呆れを含んだ声がかけられた。
「ったく、変なのに付き纏われてたなら俺に言え」
「す、すみません、ここまで来られるとは思わなくて・・・」
町で買い物をしていた時に知り合った、町の青年。
彼は戸惑う千鶴の様子にも気づかず、やたらと親しげな態度で話しかけてきた。
何度断っても交際を申し込んでくる彼に困り果てていたところを、見かねた町の人に助けられた千鶴はここまで必死に駆けてきたのだ。
「昔からお前は目が離せねえ女だよな」
町の人達が親切で良かったと心底ほっとする。
土方の眼から見ても美しくなった千鶴を、他の男達も放っておくわけがない。
これでは迂闊に一人で歩かせられないな、とため息を漏らす。
(さっさと身体を治さねえとな)
立っているだけでもじくじくと痛みを覚える身体がもどかしい。
悔しげに拳を握り締めた土方は、目の前で徐々に頬を紅く染める千鶴の様子に気づいておや、と眉を上げる。
「あの、あの、土方さん、さっきあの人に・・・っ」
今更ながらあの青年に言った土方の言葉を思い出したのか、千鶴が真っ赤になった顔を上げて当惑に潤んだ瞳でこちらを見上げた。
「あ〜・・・こんな形で言うつもりじゃなかったんだがな・・・」
困ったように笑いながら、土方はがしがしと頭を掻く。
あのガキ、今度会ったら一発殴っとくか、と不穏な言葉が思わず零れた。
「身体が回復して、お前に世話を掛けなくなったらちゃんと口説くつもりだったんだぜ? なのに予定が狂っちまったじゃねえか」
「え、ええっと・・・??」
何だか妙に責められているような気がするが、土方の言葉の意味がさっぱり解らない。
疑問符を大量に浮かべている千鶴に、土方は優しい眼を向けた。
「なあ、千鶴」
「はい、土方さん」
「俺と夫婦になるか?」
「え?」
言葉を失う彼女に、土方はゆっくりと語った。
「ずっと考えていた。俺がお前にしてやれることをな。武士としての俺はもう死んだ。残りの命はお前のために生きると決めている。俺のこの先の時間は全てお前にやる。だから、お前もその分の時間を俺にくれねえか?」
「土方さん・・・」
顔を紅くしたまま、千鶴は名を呟いたきり押し黙る。
土方から告げられた言葉の一つ一つを噛み締めるように、何かを考え込んでいた彼女はやがて震える声で言った。
「いいんですか? 私が土方さんのお嫁さんになっても・・・?」
「いいも何も、一体お前以外のどこの誰がこの俺の嫁になってくれるってんだよ」
互いの気持ちはすでに知っている。最後の戦争の前に、五稜郭で伝え合ったのだから。
後はこの関係を確たるものにするだけだ。
大きな瞳に透明な涙を浮かべ、千鶴がそっと土方に抱きついた。
彼の身体に障らないように、怪我に負担を掛けないように、そっと触れるだけの抱擁。
強く抱きしめ返してやりたいが、思うように力の入らない腕ではまだ彼女の重みを支えてやれそうにない。
しかし千鶴はそんなこと気にすることなく、土方に微笑んだ。
「土方さんのお嫁さんにして下さい」
ぽろぽろと瞳から零れ落ちる涙が白い頬を濡らす。
(やっぱりもっと回復してから言いたかったな)
泣いてる女をこの胸に強く抱きしめられないなんて、何て情けない男だろうか。
それどころか、立ったままだと辛いだろうと、千鶴に支えられて家の中に戻る始末だ。
「ああ情けねえな。さっきもガキが逆上して襲い掛かってきたらお前を守れたかどうかもわからねえ」
「そんなことないですよ」
見事に眼力と殺気で追い払ったのだからたいしたものだと思う。
確かに今の土方は思うように動けない状態だが、だからと言って歴戦の武士を相手に戦うことを知らない町人が何かできたかというと無理だろう。
「土方さんは隣に居てくれるだけで私を守って下さいました」
「じゃあ、今度町に行く時は俺も同行して夫婦だってことを知らしめる必要があるな」
「そうで・・・・・・ええ!?」
つい同意しかけたが、いったい彼は何を言い出すのか。
思わず声を上げてしまった千鶴に、不機嫌そうな菖蒲の眼が向けられる。
「何だ、文句あんのか? さっき夫婦になるって言ったばかりだろうが」
「い、いいえ、滅相もないです! ああでもどうしましょう、どんな顔をして町に行けば・・・っ」
「別に気負う必要ねえだろ。土方千鶴って顔でいいんじゃねえのか」
どんな顔ですかそれ!
反論しかけ、“土方千鶴”という言葉に再び顔に熱が集まる。
(ひじかたちづる・・・いえ、土方さんと夫婦になるならそうなるのよね、何も間違ってないんだけど、何故こんなに恥ずかしいのかしらっ)
「じゃあまずは俺の呼び方から改めてもらおうか」
心の中で盛大にうろたえる千鶴の心境を知ってか知らずか、土方は更なる注文を突きつけた。
「・・・え?」
「え、じゃねえよ。お前、亭主を名字呼びするつもりか?」
「え・・・えええええ!!??」
名字を呼ぶなということは、まさか自分に土方歳三の下の名前を呼べということか?
いや、それ以外あり得ないし、確かに夫婦で名字呼びはおかしい。
だが、恋仲にまでなっておいて何だが、千鶴は自分が土方の名を呼ぶなんてことを考えたこともなかった。呼べるとすら思えない。
「ま、待ってください、急にそんなこと言われてもっ」
(だって土方さんは土方さんで、それ以外の呼び方なんて、いったいどうしたらっ)
大混乱に陥る千鶴の様子に、ついに土方は堪え切れないとばかりに笑いを漏らす。
「ひ、土方さん!?」
傷の痛みを堪えながらも腹を抱えて肩を揺らす土方の様子に、完全に遊ばれてしまったことを悟る。
「か、からかいましたね!?」
「くっ、わ、悪い悪い。いや、別にからかったつもりはねえが、くくっ」
千鶴に告げたのは紛れもない本心だ。
しかし彼女の反応が面白くて遊んだ節は否めない。
「もうっ! 怪我人は早く布団に横になって下さい!」
「解ったよ」
土方を支えて寝床に連れて行く千鶴の手つきが、いつもより乱暴であるのが余計に笑える。
それでも彼が横になるのを手伝う手は優しく労わるようで、ようやく布団に落ち着いた土方は離れていく白い手を咄嗟に掴んでいた。
「早く名前で呼べるようになれよ」
そう囁くと、すうっと眠りに落ちた。
土方に手を掴まれたまま、彼の寝顔を見つめる千鶴の顔はしばらくの間赤く染まったままだった。
そして、ほんの小さな声な吐息のような呟きが、紅い唇から零れる。
・・・としぞうさん・・・ と。
〈了〉
13.7.30up
甘くなったでしょうか?(汗)
私にしては精一杯甘くしたつもりです。つもりなんですっ。
ちなみにこの後、千鶴ちゃんのために何ができるかを日々考えている土方さんのもとに
訪ねてくる誰かさんがいます。飛んで火に入る夏の虫が。
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