
『昔々、あるところにシンデレラと呼ばれる可哀想な女の子がおりました。
シンデレラはいつも意地悪な継母と義姉達にいじめられていました。』
「坊ちゃーん、どこですかあー!?」
「ティエンさあーんvv」
「ティルーッ!v」
『今日も継母のグレミオや義理の姉のユアンとシーナがシンデレラを探しています。』
「はい。お継母様、お義姉様」
『みすぼらしい姿のシンデレラが現れ、三人の目が光りました。
今日もシンデレラへの嫌がらせが行われるようです。』
「ぼ、ぼ、坊ちゃーんっ! 何てお姿をしているんですか! ああ、掃除なんかいいですから、綺麗なドレスを着て下さい! 坊ちゃんはこの屋敷のお嬢様なんですからっ!」(涙目で叫んでます)
「そうですよ、ティエンさん! ドレスのほつれは直しておきましたからっ。ホラv」(可愛らしいドレスをバサッと広げて見せる)
「着替え手伝ってやるからさ、こっち来いよ。大丈夫、綺麗にしてやるってv」(肩を抱いて引き寄せ)
「・・・・・・うん」(三人の迫力に圧され気味)
『このように毎日続く継母や義姉達の嫌がらせに、シンデレラはいつも口答えもせずに耐えていました。
そんなある日、屋敷にお城の舞踏会への招待状が届きました。
これは、王子様のお妃選びの意味もあり、継母や義姉達は色めき立ちます。』
「舞踏会・・・ですか・・・。坊ちゃんの晴れ姿を見たいのは山々ですが、お妃選びというのが気になりますね」
「王子様ってあの青いので有名なフリック王子でしょう? あんな青い奴に僕達の大切なお姫様をやるわけにはいきませんよねっ!」
「ティルの美しさにあの青いのが落ちないわけないもんな。でも、招待状もらった手前、行かないと無礼になるぜ?」
「仕方ありません。私達だけで行くことにしましょう」
「ティエンさんを一人置いて行くんですか? だ、大丈夫かなあ」
「ティル、一人で留守番できるか?」
「・・・・・・できるよ」(過剰な心配をされてちょっと不機嫌そう)
「し・・・心配です・・・。坊ちゃん、誰か来ても家に入れちゃ駄目ですよ? 絶対に答えちゃ駄目ですからね?」
「グレミオさん、出掛ける前に厳重に戸締りしましょう。ティエンさん、僕達が出て行った後は絶対に鍵を開けちゃ駄目ですよ!」
「変な気配を感じたら、遠慮せずに裁きの1つもお見舞いしてやれ」
「・・・・・・・・・」(答える気力もない模様)
『こうして継母と二人の義姉は、シンデレラを置き去りにして三人だけで舞踏会へと行くこととなりました。
一人残されてしまったシンデレラは、納屋のような暗くて寒い部屋で一人佇み、舞踏会や王子様への憧れを募らせます。』
「・・・・・・過保護にも程がある・・・」(深い深い溜息)
『そんな時、可哀想なシンデレラの前に、光と共に魔法使いが現れたのです。』
「やあ。すごい豪勢な部屋に住んでるんだね、君」
「こんにちは。何か用?」
「レックナート様の命令で君を城の舞踏会に連れて行ってあげようと思って来たんだけど」
「別に興味ないよ。グレミオ達が反対するし」
「ふうん。まあ確かにあの青王子にはもったいないね」(何やら考え込んでいる様子)
『魔法使いが杖を一振りすると、シンデレラは綺麗なドレスを身に纏い、輝かんばかりに美しい姫君へと変身をしました。』
「僕は舞踏会なんかには行かないよ?」(疲れきった顔でドレスを見下ろし)
「青王子の元になんてやらないさ。君はこれからカボチャの馬車で教会に行って僕と結婚式を挙げるんだよ」
「・・・え?」
「青にはやらない。僕がもらうことにする」
「いや、僕は君のこと知らないんだけど?」
「魔法使いのルックさ。これで知っただろ。さあ、行こうか」
「え?(汗)」
『こうして、シンデレラを乗せたカボチャの馬車は、お城へと向かったのです。』

ボーン ボーン ボーン
『どこからか12時の鐘が鳴り響きます。』
「さて、結婚式も挙げたことだし、丁度魔法も解ける時間だ。このまま夜を明かすかい?」
「・・・・・・・・・家に帰るよ」(未だに茫然としてます)
「家? 僕達の新居のこと? そう言えばまだ決めてないね。君の家にするか魔術師の塔か・・・。あ、大丈夫かい?」(階段を降りる途中でドレスの裾を踏んでバランスを崩した坊ちゃんを支える)
『シンデレラは慌ててカボチャの馬車に飛び乗りました。
ひどく慌てていた彼女はガラスの靴が片方脱げてしまったことにも気付きません。』
「靴脱げたよ。しっかりしなよ。僕達は夫婦になったんだからさ」
「・・・夫婦・・・」(馬車に乗せられてもまだ茫然としています)
『シンデレラを乗せた馬車は12時の鐘と共に闇夜に消えていきました。
後日、ガラスの靴を頼りに一目惚れしたシンデレラを探す王子様は、ついにシンデレラの屋敷へとやって来たのです。』
「け・・・けっこん・・・ですって・・・??」(わなわな)
「そ、そんな! ティエンさん、本当ですか!?」
「ティル、いつの間にこんな性格悪そうな奴と・・・」
「・・・いや・・・本当に、何でこんなことになったんだろう・・・」
「ふん。あんたらが何を言おうと僕とティルが結婚したのは事実だよ」
『王子様はガラスの靴が合う女性をお妃にすると言います。
継母と義姉達はやっきになってガラスの靴を履こうとしますが、小さくて入りません。
しかし、シンデレラの足にはガラスの靴はぴったりと合ったのです。』
「駄目です! 絶対に駄目です! 認めません!! 大切な坊ちゃんをお嫁になんて・・・グレミオは、グレミオはああ〜〜〜っっっ!!!」(滝のような涙)
「そうですよ! ティエンさんは僕がお嫁にするって決めてたのに、何でいきなり現れた魔法使いなんかに奪われなきゃいけないんですかああ〜〜〜っっっ!!!」(涙ながらの絶叫)
「ティルをもらうのは俺だっっっ!!! ティル、考え直せ!!」
「考え直せと言われても・・・」
「悪いけどすでにティルは僕の妻なんだよね。その汚い手をどけなよ。あんたもみっともないからどけ」(シーナの手を払い、ユアンに蹴り)
『すると、シンデレラの前に魔法使いが現れ、次の瞬間には美しい姫君へと変身を遂げました。
ようやく探し当てた姫と再会した王子様は、シンデレラに愛を誓います。』
「ティル、二人で幸せな家庭を築こう」
「いや、あの・・・」
「・・・ぼ、坊ちゃんが幸せになるなら・・・グレミオは何も言いません。でも、せめてお傍にいさせて下さい〜〜っっ!!」
「何言ってるんですかグレミオさん・・・じゃなくてお母様! ティエンさんと結婚するのは僕ですよ〜っ!!」
「何言ってんだ、猿!! この中で将来有望なのはこの俺だ!!」
「うっとうしいな、切り裂き!」
「「うわあああああ―――っっっ!!!」」
「あ、シーナ、ユアン・・・いや、お義姉様達!」
「放っておきなよ、あんな奴ら。
それとも、僕が夫だと不満なわけ?」
「そ、そんなことは・・・ないけど・・・」(照)
「じゃあいいじゃないか。ほら、おいでよ・・・」
「・・・ルック・・・」
「テオ様、坊ちゃんはとても綺麗な花嫁さんになりましたよ」(感涙)
『こうしてシンデレラは王子様のお妃となり、お城で幸せに暮らしたということです。
めでたしめでたし』

「ところで・・・ナレーションに意味あったんですかね」(切り裂かれてボロボロ)
「物語とはまるで関係ないよな、この話・・・」(同じく切り裂かれてズタズタ)
END
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