探しもの





天流の趣味の一つには間違いなく“釣り”が含まれている。

親友のテッドや、軍師マッシュという素晴らしい釣りの師匠に恵まれたお陰で、今やぼーっとしてれば勝手に魚が掛かってくれるほどの腕前だ。はっきり言って魚に餓えた経験はない。
かつての解放軍の居城で仲間とともに釣りを楽しんだ時も、隣で長靴ばかりを釣り上げている青いマントの青年の悔しがる様子を不思議そうに見ていた。“何故彼は長靴ばかりを釣っているのだろう”と、当の本人にしてみれば厭味以外のなにものでもない感想を述べながら。

その天流を以ってしても、今回の獲物は予想だにしなかったものだ。

「何故こんなものが釣れたんだろう・・・」

首を傾げ、しばらくの間それをじーっと眺めていた。







トラン共和国建国の英雄たる少年が釣り上げた物体を不思議そうに凝視していた頃、遠く離れたある街では何の接点もない一人の少年と一人の少女が全く同じことを叫んでいた。


「「
ええ!? 嘘! 何で? どうして〜〜!?」」


悲痛な声は、まっさらな青空高く響き渡った。







「きゃあ!」

バシャンッ


「・・・・・・」

突如目の前で上がった悲鳴と水飛沫に、魚を釣り上げた糸を手繰り寄せていた天流は数秒間固まった。
だがすぐにビチビチと跳ねる魚に我に返り、脇に置いてあった魚篭に押し込んだ。

「あれ〜? ここどこ〜?」

のんびりと混乱する少女には、何となくどころかものすごく見覚えがあった。

厄介なことになるな。

冷静にそう考えながら竿を片付けていると、少女が天流に気づいた。

「あー、ティエンさんだ〜」

「久しぶり、ビッキー」


一見深窓の令嬢を思わせる清楚な容姿ながら、その実天然マイペースなのんびりぼけぼけ娘、たまに失敗するテレポートの行く先は被害者の運次第(天流は『災い転じて福となす』道を進んだが、とある青年は『踏んだり蹴ったり』道をひた走った)、かつて解放軍にて共に戦った仲間である少女、ビッキー。

またもや彼女は適当にテレポートして天流の目の前に現れたらしい。
どの時代から来たかは不明だが、天流と出会った後の彼女であることは確かだ。


「そんなところに立っていないで早くこっちにおいで。風邪を引くよ」

「はあ〜い」

ざぶざぶと川の流れを掻き分けてきたビッキーの手を掴み、地上に引っ張り上げてやる。

「ありがとうございます〜」

「いや。とにかくどこか町に行って着替えを購入しよう」

「は〜い。・・・ふぁ・・・」

不吉な声に、水浸しの彼女の服を絞っていた天流は反応が遅れた。



「くしゅん!」





■■■■■





「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」



二人の少年は向き合ったまま、しばらく無言だった。

どこだか解らない森の中、天流が強制テレポートされたその場所には先客がいた。それが、目の前にいる幼い少年だ。しかも見覚えがあるその少年は、突然現れた天流を言葉もなく呆然と見つめていた。

先に口を開いたのは、どんな状況に置かれても数拍も経てば冷静になる天流だ。

「久しぶりだね、フッチ」

「・・・っ、ティ・・・」

フッチと呼ばれた少年は鋭く息を吸った後、くしゃりと破顔した。
そして、考えるより先に動き出した身体は勢い良く天流に飛び付いていった。

「ティエンさんっ!!」

別れた時よりも確かに成長した身体を抱きとめると、すぐに背中に回った手がぎゅっとしがみつく。
身体全体で嬉しさを表す少年に、愛しさが蘇る。彼はいつも、まっすぐで純粋な心で自分を慕ってくれていた。

「あ、会いたかった・・・」

涙交じりの声。何も言わずに消えてしまった自分を、あの頃と同じ眼が見つめる。
優しく頭を撫でてやると、一層強く抱きつかれた。

「何も言わずに姿を消して悪かったね」

「本当だよ! 心配したんだからねっ」

心配した、と怒ってくれるのはこれで何人目だろう。
共に戦ってくれた仲間達は、天流が思っていた以上に愛してくれている。
それが実感できるのは、こうして再会した時だ。当時はあまりにも必死で、前しか見ることができずに、たくさんの優しさを見落としてきたように思う。


「君はもう大丈夫なのか?」

言葉の意味を理解するや、フッチは赤くなった。
天流はフッチの辛い時期を知り、傷ついた心を慰めてくれた。今こうして笑えるのも、ハンフリーはもちろんのことヨシュアやミリア、そして天流の存在があったからこそだということは、未だ幼いフッチにもよく解っていた。

「はい。あの・・・僕ずっとティエンさんに謝らなきゃって・・・」

「?」

「ハンフリーさんに色々と教えてもらったんだ。あの戦争で、ティエンさんがどんなに大変な立場だったか。僕、何も知らずに甘えてて・・・何の手助けもできなくて・・・」

じんわりと涙が浮かぶ。
天流は驚いたようにフッチを見つめ、そしてゆっくりと首を振った。

「そんなことはない。僕は君にも助けてもらっていたよ。だからそんな顔しないで」

まっすぐに慕ってくれる幼子の純真な想いに、何度癒されたか解らない。
特にテッドを失って間もない頃、傷つき擦り切れた心に光を与えてくれたのは他でもなく彼だ。ルックやシーナ、クレオの優しささえも受け入れられなかった時に、自分に縋って泣いたフッチ。彼自身が「何も知らずに甘えて」と恥じたそれこそが、天流を助けてくれた。



「でも、何でいきなり現れたの?」

「ちょっとしたアクシデントがあって・・・」

落ち着きを取り戻したフッチが口にした疑問に、天流はどこか空ろな視線を虚空に向けた。
不思議そうに首を傾げるフッチだが、すぐに「まあいいや」と笑顔を見せた。

「ティエンさんに会えたんだから。それが一番嬉しい」

「ありがとう。ところで、ハンフリーさんは?」

トランでの戦争の最中、竜騎士の資格を失ったフッチは解放軍の一員であったハンフリーに引き取られた。戦後は彼とともに居るはずだが、見渡してもここにはハンフリーの気配はない。

「ハンフリーさんは今ギルドの仕事に行ってるんだ。僕はまだ未熟で、危険だからって連れて行ってもらえなかった」

「そう。で、君は何故こんな森の中にいるの?」

うっとフッチが言葉に詰まった。

見たところフッチの手には武器である槍以外の持ち物はなく、こんな森の中でハンフリーと待ち合わせているとも思えない。
ギルドがあるのならこの近くには大きな街があるということで、ハンフリーがフッチを待たせるならその街でだろう。
いったい彼はこんな森の中に何の用があるのか。


「それが・・・その・・・ムササビに・・・」

「ムササビ?」

「いきなり空から降ってきた赤いマント着たムササビが僕の頭に落ちて、気づいた時には羽兜を抜き取られて逃げられたんだっ。大事なものなのにっ」

言われてみればフッチの頭には竜騎士の証とも言える、竜の羽を象ったサークレットがない。

「それで、ムササビを追って来たんだっ。ティエンさん、ムササビ見なかった!?」

羽兜を取られたショックで半泣きになりながら詰め寄るフッチに、天流は戸惑いながら「さあ、この森には来たばかりだから」と答えると、みるみるうちに落胆の表情となった。

「そう・・・だよね・・・ごめんなさい・・・」

「僕も一緒に探すから落ち込まないで。手分けして探そう」

「うぅ・・・ありがとうございます・・・」

やっぱり天流はいつも優しく助けてくれる、と敬愛の想いも新たに憧憬の眼差しで見つめる。



広い森の中を一緒に探し回っても効率が悪いと、天流とフッチは二手に分かれることにした。

「森を出て少し北東に行けば街があるんだ」

「では街の入り口で待ち合わせることにしようか。見つからなくても夕暮れには戻るんだよ?」

「はいっ」

天流が手伝ってくれるなら百人力だ。
俄然やる気が出たフッチは先程までの暗い気持ちも晴れ、意気揚々と森の奥へと進んで行った。





いくら天流にもムササビが向かう先など見当も付かない。
とりあえず生き物の気配を探し、フッチとは別の方向へと歩を進める。


「ムームムム」

頭上の木の上から妙な声が聞こえた。
その瞬間、咄嗟に棍を旋回させて気配のする枝を打ち付けると、一瞬後に天流の足元に何かがボタッと落ちた。

「・・・・・・」

声もなくそれを見つめる天流の視線の先で、落ちた物体はしばらくぴくりとも動かなかったが、やがてヨロヨロと身を起こすとつぶらな瞳をうるうるさせながら天流を見上げた。

「ごめん、痛かった?」

「ムム〜・・・」

悲しげな鳴き声が切なく流れる。
しゃがみ込んで慰めるように撫でてやると、機嫌を直したのか嬉しそうに擦り寄ってくる。

変な気分だ。

天流にとってそれは、さほど強い力を持っているわけではなくとも凶暴なモンスターという認識しかなかった。それなのに、目の前に居るそれは何故か天流に甘えてくる。

「随分と人懐こいムササビだね」

「ムムー」

「君はフッチの羽兜を奪った犯人?」

「ム。ムムームム」

「・・・言葉が解らない・・・」

当然である。

だが、ムササビが何やら天流に伝えたいことがあることは何となく理解できた。
必死に身振り手振りで天流の気を引こうとし、くいくいとマントを引っ張ってどこかへと誘おうとしている。

とりあえず、天流はムササビの後を追った。







「ねえ、落ち着いてよー。何もしないから〜っ」

困惑しきった少女の泣きそうな声が、前方から聞こえてきた。
その声に被さるように、バサバサという音とつんざくような奇声。

「巣の中をちょっと見たいだけなのっ。卵を取ったりしないわよー!」


森を抜け、視界が拓けたそこには巨大な怪鳥と、襲われそうになっている少女の姿があった。

突き出される鋭い嘴の攻撃に少女は三節棍と呼ばれる武器を振り回して応戦しているが、大きな翼によって巻き起こる強風に体勢を崩した。
すかさず嘴が少女を狙って突き出された。

衝撃に身構え、固く眼を閉じた少女だったがいつまで経っても訪れない攻撃に恐る恐る眼を開けた。

「――え?」

彼女の目の前には、若草色の布が広がっていた。

その向こうでゆっくりと怪鳥が倒れていく。

「え? こ、殺しちゃったの・・・?」

「いや、気絶させただけだよ」

そう言って天流は棍を持たない方の手を少女に差し伸べ、立ち上がるのを手助けしてやる。

「あの、助けてくれてありがとう! あたしナナミって言うの」

「僕はティエン。こんな所で何しているの?」

「あー! そうそう、鳥さんが起きる前にあれ取り戻さなくっちゃ!」

「あれ?」

「鳥さんの巣の中にユアンの輪っかが落ちてるの!」

「・・・ユアンの輪っか・・・?」

ナナミと名乗った少女は勢い良く、前方にそびえる崖の隅にある怪鳥の巣へと走った。

彼女に続いて巣を覗いた天流の眼に、怪鳥の卵と――見覚えのあるものが映った。

「あ・・・」

「あれ? あれえぇ〜〜?? あたしが探してたものじゃない〜〜っ」

巣の中から取り出したそれを見て、ナナミは困惑の声を上げた。

「とりあえず、ここを離れよう。怪鳥が起きてしまうよ」

「ふえ〜・・・」

ショックに脱力するナナミの手を引き、天流は森の中へと引き返した。



「ムム〜」

森に入ったところの木の上には、天流をここまで案内してきたムササビがいた。
おずおずと窺うように二人に近寄ってくる毛むくじゃらを眼に留めた途端、ナナミは一目散に走り寄ってそれを捕まえた。

「こらあ! ムクムクっ、あんたね〜っっ!!」

「ムムーッ!!」

ナナミの腕の中でじたばたと暴れるムササビは、必死に天流に助けを求める。

「それ、君の知り合い?」

「幼馴染なんです!」

「・・・ふーん」

ムササビと幼馴染な人って初めて見たな。

「ユアンの輪っかをどこに持って行ったのよーっ! 正直に吐きなさい!!」

「ムームムーッ!!」

「馬鹿あーっ!!」

言葉は通じてないが、何だか喧嘩が成立しているようだ。

「ナナミちゃんが探していたのはどんなもの?」

「こんな羽みたいなのは付いてなくて、金色の輪っかなんです〜」

「それって・・・」

「どうしよ〜、ユアンになんて言えばいいの〜っ」

ふと考え込んだ後、荷物入れを探る天流の様子には気づかず、ナナミは泣きそうな顔でおろおろしている。
そんな彼女の目の前に、ある物が差し出された。

「これのこと?」

あああ――っ!! そう! それそれ――っ!!」


それは、冒頭で天流が釣り上げた不思議な物体だった。


飛びつく勢いで金環を受け取ったナナミはそれが探しものだと確認するや、がばっと頭を下げて何度も「ありがとうございますありがとうございますーっ!」と繰り返した。天流が困ったように「もういいから」と止めるまで。

「でも、どこにあったんですか?」

「川で釣った」

「・・・え?」

ナナミは腕の中のムササビをギロッと睨むと、両頬を左右に引っ張った。

「あんた、川に落としたのね〜〜っ。半日探し回っても見つからないわけよっ」

「ム〜〜〜」

「なるほどね」

二人・・・一人と一匹のやり取りを見て、天流は事の次第を正確に理解した。


つまるところムクムクは誤って川に落としてしまった“ユアンの輪っか”の代わりになるものを探してフッチの羽兜を奪い、またもや誤って怪鳥の巣に落としてしまったということだろう。
まったく人騒がせなムササビである。


「あれ? それじゃあこれは誰のものかしら?」

金環ではない方の羽兜を見つめ、ナナミは?マークを飛ばした。

「それ、僕の友人の探しものなんだ。持ち主に渡しておくから、預からせてもらっていいかな」

「え? そうだったの? 良かった、じゃあお願いしますっ」

素直に羽兜を渡す少女には微塵も疑いはなかった。どこか羽兜の持ち主の少年に似ているな、と微笑ましく思う。

「ありがとう。街まで送るよ」

「うわあ、何から何までありがとうございますっ。森を抜けて北東に行ったところにキャロの街があるんですっ」

「北東の街・・・か」

それはフッチとの待ち合わせ場所でもある街だ。





■■■■■





夕暮れの色に染まるキャロの街を、嬉しそうに鼻歌を歌ってスキップする少女の姿があった。
丘を駆け上がった先に建つ家の前までやって来ると、少女に気づいた少年が二人、心配そうな顔で駆け寄ってくる。

「ナナミ、どこに行ってたんだよー」

「ずっと姿が見えないから心配してたんだよ?」

「ごめーん、ユアン、ジョウイ。ユアンの輪っか磨いてたらムクムクに取られちゃって、探し回ってたの」

「えー? そんなの僕らに言えばいいじゃないか。一緒に探したのに」

「そうだよ、森とか、一人じゃ危ない所がたくさんあるんだよ?」

「うん、ごめんね。はい、ユアン。ちゃんと取り返したからね」

そう言ってユアンと呼ばれた少年の頭に金環を嵌め込むナナミの楽しげな様子に、心配させたことへの説教をしようとしていた二人の少年は毒気を抜かれて沈黙した。
何故こんなにも彼女は上機嫌なんだろう。
ユアンとジョウイの咎めるような視線にも、にこにこと笑っている。

「ナナミ、何だかご機嫌だね。いいことあったの?」

「うん! 今日ね、すっごく素敵な人とお友達になったんだ!」

「ええ? 誰誰?」

「名前は? どんな人?」

「えへへー、内緒だよ」

「ずるいよー」

茜色の空の下、三人のじゃれ合う声はいつまでも続いていた。







街の入り口にはしょんぼりと佇む小さな人影があった。


・・・見つからなかった・・・。

くまなく森の中を歩き回ったのに、ムササビの影すらなく、兜なんて落ちてもいなかった。

大切なものだったのに・・・。
ブラックだけでなく兜まで、竜騎士の証が次々にこの手からこぼれ落ちていく。

(・・・僕、竜騎士になれないのかなあ・・・)

泣きたくなってきた。

地の果てまで落ち込んだフッチは、そばまで近づいてきた人の気配にも気づかなかった。

「どうした?」

「わあっ」

間近で声を掛けられ、フッチは飛び上がった。
バックンバックンと音を立てる心臓を宥めながら視線を巡らせ、驚いたように眼を瞠る天流の存在にようやく気が付く。

「すまない、驚かせてしまったか」

「あ、ご、ごめん、ちょっとぼーっとして・・・」

「フッチ、これを」

「え?」

差し出されたものを見て、フッチは言葉を失った。

「僕の羽兜・・・」

恐る恐る手を伸ばして触れてみる。
間違いなくそれは、諦めかけていた探しものだった。

「・・・・・・っ」

込み上げてくる感情に声を詰まらせる。
天流はそっと羽兜をフッチの頭に嵌めた。

「大丈夫。君は戻れるよ」

竜騎士に。

きっとまた空を飛べる。

ぽろぽろと、フッチの瞳から涙が零れ落ちた。


「あり・・・がと・・・ティエン・・・さん」

縋りつくと優しく抱き返してくれる腕に、深い安堵に満たされた。

いつも助けてくれる優しい腕
(かいな)
いつかは、僕がこの人を守れるようになりたい・・・。

今はまだ無理だけれど。
一番辛い時に泣いて甘えることしかできなかった子供だけれど。

流した涙は、きっと未来の自分の糧となるから。


名残惜しそうにぎゅっと抱きしめ、フッチはゆっくりと身を離した。

「ね、ティエンさん。今日はこの街に泊まってよ。ハンフリーさんも戻ってると思うし、一緒に夕飯食べよう!」

「うん、いいよ」

フッチの笑顔に、天流の無表情にもどこか嬉しさが滲み出る。

そして二人仲良くキャロの街へと入ろうとした――その時。


「ティエンさあん、ようやく見つけましたあ」


「ビッキー」

「ビッキーさん?」

突然空間転移してきた少女に驚き瞠目する二人。
フッチの存在は眼に入っていないのか、ビッキーは瞳に涙を溜めて天流に頭を下げた。

「ごめんなさい〜、私ったらうっかりテレポートしちゃって・・・。すぐに元の場所に戻します〜」

「え? いいよ、別に」

落ち着かせようとビッキーに歩み寄る天流だったが、こんな時に限ってビッキーの行動の方が早かった。


「そぉれ!」


ティエンさーんっ!


フッチの悲痛な叫びが天流の耳に届くことはなかった。





■■■■■





「やれやれ、まったくあの子は・・・」


本日二度目の強制テレポートによって飛ばされてしまった天流は、見知らぬ場所に一人立っていた。もちろんここは冒頭で釣りを楽しんでいた川原ではない。


「さて、ここはどこだろう」


ぐるりと周囲を見渡した天流の前に、夕焼けに映える街並みが広がる。

今までとはまるで違う風景に、知らず知らず天流の瞳が険しさを帯びた。



視線の遠く先に映るのは白亜の城――ハイランドの象徴皇都ルルノイエ――。



END


ビッキー、フッチ、ムクムク、ナナミちゃんの登場。別名坊ちゃんの子守り話。
大人に囲まれて育った一人っ子なのに何故か長男気質な坊ちゃん(笑)。
絵本のような可愛らしい話にしたかったのですけど、如何でしょうか?(汗)
フッチは解放戦争時の生意気な口調から、少しずつ変わってる途中です。
坊ちゃんはハイランドに入りました。次回からはハイランド×坊ちゃんがスタートです♪



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