―デュラン―
第一印象は、世間知らずのお姫様って感じだった。
装備は戦士のものだったけど、礼儀正しいし、顔立ちも可愛い−(照)−し。
物腰も柔らかくて、とても武器振り回してモンスターと戦う女戦士だなんて思えなかった。
けどまあ俺はすぐに、人間見かけで決め付けちゃ駄目だって思い知ったけどな。
強えんだよ、このお嬢さん。
力や体力は俺程じゃねえけど−そりゃ当然か−、それでもすべての能力が高い。
俺みたいに力で押すってタイプじゃなく、かと言ってアンジェラのように魔法を頼ってるわけでもねえ。
俺と対決してみたとして、力じゃ俺が勝つだろうが、そのお姫さんは俺なんかよりずっと頭が良いし、素早さも俺以上だ。
持久戦に持ちこまない限り、勝敗は五分五分ってとこだ。
いや、俺の方がヤバイかな?
戦闘能力だけじゃない。
性格は控えめでおとなしい−アンジェラとはまったくの正反対だ−けど、意思はかなり強い。
普段の印象だと従順に見えるが、その実俺に負けない位頑固だ。
しかも思いのほか現実的で、冷静な台詞をさらっと言う。
我侭でうるせえアンジェラの方がロマンチストだってわかった時は、自分の頭がおかしくなったのかと思った。
ああ、本当に見かけによらねえぜ・・・。
でも、いつからだっけかな。
そんなあいつが気になり始めたのは。
―――リース・・・
俺はあんたのことが・・・好き、なんだと思う。
―リース―
その人と初めて会った時、荒荒しい人だなという印象を持った。
容姿も話し方も少し乱暴で、私の周りにはいなかったタイプだった。
ローラントにももちろん男性はいたのに何故?と思ってたけれど、それは環境のせいかも知れない。
私が育ったのは王宮で、私は王女という立場。
周囲の人達がどこか遠慮がちなのも仕方がない。
だけど、彼は違った。
私や、もう一人の仲間であるアンジェラさんが王女だと知っても、自分の姿勢を変えることはない。
アンジェラさんは初めのうち「何て失礼な男なの!」って怒っていたけれど、私は嬉しかった。
王女だとか身分なんて旅には必要のないものだから。
私達は共に旅をする仲間。
そう思ってもらえることがとても嬉しい。
彼はとても強くて頼りになる人だ。
確かに乱暴だけど、本当は優しくて誠実な人。
それに、どうやら私やアンジェラさんはちょっと(?)世間知らずらしく、旅の間彼には何度も助けられた。
彼は怒ったような呆れたような表情で「仕方ねえなあ」って溜息をつく。
アンジェラさんは「なによー!」って怒るけれど、私はそういう時の彼の表情が結構好き。
私はこういう風に世話をされた事も、怒られたこともなかったから新鮮な感じがした。
ふと気付いたのだけれど・・・
私が誰かを頼りに思うなんて初めてではないだろうか?
――― デュラン
あなたは私にとって、とても特別な人です。
―アンジェラ―
はっきり言って、やってらんない。
何がって、私の二人の仲間のことよ。
この二人が両想いだってこと、誰が見ても解るのに本人達は全然気付いてないのよね。
はたから見てたら何だか馬鹿馬鹿しくなっちゃう。
その手のことは二人とも本当に鈍いんだから。
誰かが背中押してやらなきゃ、進展しそうもない。
その役ってやっぱり私よね・・・。
ああもう、世話の焼ける!
でも、ま、仕方ないか。
二人の仲間の事は結構気に入ってるしね。
何の気兼ねもない友達なんて初めて・・・だし。
こう見えて私、二人のこと信頼してるんだ。
二人とも好きだから、幸せになってほしいって願うのは当然でしょ?
乱暴者で生意気なアイツと、天然のようで頑固なあのコ。
夫婦になったらあんまり喧嘩しそうにはないけど、
産まれてくる子供は二人に輪をかけて頑固者になるだろうな・・・。
―――デュラン・リース
いい加減くっつきなさいよっ!
あんた達、お似合い、なんだからさ・・・。
END
〈コメント〉
この話は一応同人誌の「E・M」シリーズがベースですが、
「E・M」を読んでなくても解るようにしたつもりです。
単に三人の心情をそれぞれ語ってるだけですし(笑)。
ブラウザのバック推奨