31.王都崩落





赤月帝国――


“黄金の皇帝”と人々から敬愛を込めてそう呼ばれていた明主、バルバロッサ・ルーグナーが治めるこの国は、大陸屈指の軍事力を誇り、ハルモニア神聖国に次ぐ大国である。


しかし、いつしかその力は衰退し、帝国は奸臣ばかりが政権を握るようになっていった。

かつての栄光は地に堕ち、真っ先に影響を受けたのはやはり罪のない国民ばかりだ。
腐敗した政治に人々は困窮し、謂れなき苦しみばかりを強いられた。


そんな多くの人々の苦しみや哀しみは、やがて小さくも芽吹いた強き意志を生み、育てた。


それが――解放軍である。


初めは、本当に小さく弱い力だった。

帝国の在り方に不満や不審を抱く、少数の集まり。
束ねていたのは、まだ年若い女性であった。


だが徐々に、徐々に彼女の揺るぎ無い決意は虐げられた人々の心に希望の火を灯し――



今、解放軍は一人の少年の元、大きなうねりとなって帝国を覆い尽くそうとしていた。







太陽暦457年、クワバの城塞を攻略した解放軍は、ついに王都グレッグミンスターへと進攻を開始した。


グレッグミンスターの街に足を踏み入れた天流の前には、記憶のままの街並みが広がる。
慣れ親しんだ故郷。
最期に見た時と、変わりはない。

しかし、華やいでいた街には人の気配がなく、不気味な静けさに包まれていた。
戦争の気配を察して人々は街から出たのか、それとも家の中に潜んでいるのか。とにかく広い街には解放軍の兵以外の人影はなく、家々は厳重に戸締りがされている。
だが、これで街の人達が戦いに巻き込まれる心配がないことは幸いだろう。


解放軍は街の入り口付近に陣を張り、幹部達が作戦を立てていた。
残るはグレッグミンスター城のみだ。
帝国軍の残された兵力はすべてそこに集結していることだろう。
しかし、帝国五将軍全てが敗れ、クワバの城塞をも突破した今、帝国軍の戦力などもはや解放軍の脅威とはならない。

城内に乗り込んで内部を制圧することとなり、それぞれ何人かの部隊が組まれる。


「後は皇帝バルバロッサの首を取るだけだ。乗り込むぞ、ティエン!」

「ティエン、いやリーダー、俺を連れて行ってくれ。俺のこの手でオデッサの仇を取りたい。
頼む!」

昂然とした様子で同行を申し出るビクトールとフリックに、天流は無言のまま頷いた。
そして傍に立つ二人の友人に視線を移し、

「ルック、シーナ、頼みがある」

その言葉で天流の言いたいことを汲み取り、シーナは相好を崩す。

「俺はいつでもお前と一緒だぜ」

「メンバーが気に入らないけど、仕方がないね」

努めて素っ気無い口調を作るものの、ルックの胸にはじんわりと喜びが溢れ出る。

「共に来てほしい」という言葉は要らなかった。
天流の望みはそのままルックとシーナが望んだことでもあったのだから。
ただ純粋に、天流が頼ってくれたことが何より嬉しかった。


「ありがとう」

天流の表情が和らぐ。
これから向かう先で対峙するであろう人物を思うと、信頼できる存在が傍にいてくれるというのは心強い。


仲間達を見渡した天流は、ある一角に向けて踏み出した。
彼の視線の先に揃うのは、名高き武将達である。

クワンダ・ロスマン、ミルイヒ・オッペンハイマー、カシム・ハジル、そしてソニア・シューレン。
その後ろにはアレン、グレンシール、バレリアらも控えている。
かつての栄光の時代、帝国将軍として名を馳せた名将と、その忠実なる部下達。
バルバロッサに忠誠を誓い、幾多の戦いを彼と共に駆け抜けて来たであろう彼らは、今や帝国に剣を向ける者達だ。


天流は一人一人をひたと見据え、固い口調で切り出した。

「貴方方には、最後まで見届けてもらいたい。帝国の、陛下の最期を」

それが、帝国軍人としての義務だろう。

元帝国武将達は天流の言外の言葉を正確に理解し、重々しく頷いた。
異論も、反感も無い。
彼らの忠誠はすでに、バルバロッサ以上に天流・マクドールへと捧げられていた。

未だにかつての時代を懐かしみ、バルバロッサ陛下の変貌が信じられない思いはあるが、時代はすでに皇帝を必要とはしていない。
ならば、最期に陛下のために出来ることは、その最期を見届けることなのだろう。


辛く、哀しいことではあるけれど。

もう、迷いは無かった。



「ティエン、陛下を討つのか?」

踵を返し、フリック達の元に戻りかけた天流の背に声が掛けられる。
問いかけたのはソニア・シューレンだ。
思わず何人かが身構えたが、彼女の瞳は深く静かに天流を映し、そこには怒りも憎しみも無い。

「必要ならば」

簡潔な答え。
飾ることをしない天流の言葉は、率直に彼の意志を表す。
そこには誤魔化しもなく、いっそ潔いほどだ。
ふ、とソニアの口許が綻んだ。

「ティエン・・・。お前、テオ様によく似てきた・・・」


「・・・それは、僕にとって最高の賛辞です」

驚きを浮かべたのは一瞬のことで、天流はどこかはにかむように言った。
白皙の面には、珍しくも感情があった。
彼は本当に、嬉しいのだ。


不器用なところもそっくりだ。

テオを知る者達が一様に同じことを思った。



次に天流を呼び止めたのは、軍師マッシュだ。

「お気を付け下さい、ティエン様。帝国軍は敗れたとは言え皇帝はまだ・・・」

言いかけて苦しげにうめく彼を、リュウカン医師が慌てて支える。

「マッシュ殿! これ以上無理はなさるな。外にいては身体に障る」

「ティエン、我が妹オデッサの目指したものを・・・・・・頼みます」

敬称を付けずにマッシュが天流の名を口にしたのは初めてだった。
軍師としてではなく、オデッサの兄として彼は天流に頭を下げている。
天流は黙って頷くだけだったが、内心ではマッシュのあまりの顔色の悪さにひどく動揺していることを近しい者達には勘付かれていた。

その近しい者の代表とも言えるクレオは、眩しそうに幼き主人の小さな背中を見つめる。
細く、薄い背中の何と頼もしいことか。
ピンと背筋を伸ばして立つ彼はもう、家人から“坊ちゃん”と呼ばれて大切に守られてきた子供ではなくなっていた。

(坊ちゃんはもう私の手の届かないところへ行ってしまったみたいだな。
――ちょっと、寂しいね・・・)


「クレオ」

ふいに名を呼ばれ、物思いに耽っていたクレオはハッと顔を上げた。

「ティエン様」

クレオの前に歩み寄ってきた天流は、彼女の傍に立っていたカスミにも目を向け、

「クレオ、カスミ、一緒に来てくれる?」

「え・・・?」

驚く二人の女性に向け、天流の右手が伸ばされる。


「最後まで、共に戦ってほしい」


言葉の意味が浸透していくと共に、クレオとカスミの表情が明るくなった。

「もちろんです」

「はい、お供します!」

嬉しさと誇らしさに、彼女達は込み上げてくる熱さを懸命に堪えた。





城へと続く橋に差し掛かった天流達は、その先に立つ人物の存在に気付き足を止めた。
姿から将軍クラスの地位の者と見受けられるが、共の姿も無く、たった一人で天流達の前に立ち塞がる初老の男。
素早くフリックやビクトールが剣を構える。

「帝国兵か」

男は彼らの後方にいる天流だけをじっと見据える。
天流もまた、どこか苦しげに彼を見ていた。

「お久しぶりです、ティエン様」

「アイン・ジード殿・・・」

「お前は・・・。そうか、思い出したぞ。クワバの城塞で俺達の猿芝居を見逃してくれた・・・」

そう言ったのはビクトールだ。
他のメンバー達には事情が理解できなかったが、あの場に居た一人であるクレオはその時のことを思い出して息を呑んだ。



それは、1年以上前のことに遡る。

グレッグミンスターを追われ、北を目指してクワバの城塞を越えようとしていた天流達を手助けしてくれたのが、その時城塞を任されていたアイン・ジードだった。
彼のおかげで天流達は捕らえられることなく無事に城塞を通り抜け、セイカの町に辿り着くことができたのだ。


そのアイン・ジードは天流達の行く手を遮るように仁王立ちし、剣を抜いた。
城に入りたければ、自分を倒して行け。
鋭い眼差しが彼らにそう告げる。

「もう帝国軍に勝ち目は無いぞ! そこをどいてくれ。恩のある相手を斬りたくはない」

「帝国が敗れるとしても、私はバルバロッサ様を裏切りはしない。私まで裏切ってはバルバロッサ様がお可哀想だ。
ティエン様、ここを通りたければ、このアイン・ジードを! 倒してください!!」


馬鹿なことを。

こんなことは間違っている。

誰もがそう思った。おそらくアイン・ジード自身もそれは解っているはずだ。


だが天流は無表情のまま、スラリと剣を抜いた。


「貴方の覚悟に敬意を表する」


冷たいとすら感じられる声音に潜むのは、――諦めだった。





「正しくたって価値のないものがあるように、間違っていても、価値あるものはある」


あまりにも後味の悪い戦闘の後、アイン・ジードの遺体を見つめながらビクトールが呟いた。
そんな死に方を選んだ男への同情を込めて。

まるで、いつかのテオを見ているようで、クレオの心は締め付けられた。
そして心配そうに、黙祷を捧げるように瞼を伏せている天流を見やる。


「先を急ごう」

そう言った天流はいつも通りの沈着冷静な彼だった。


だが、アイン・ジードとの戦闘の中で、ほんの一瞬だけ琥珀の瞳に真紅の光が宿ったことを、風の少年だけは気付いていた。







次々と乗り込んだ解放軍の兵達によって、城内は瞬く間に制圧されていった。

残された帝国の兵力が全てここに集まっているとはいえ、それ以上に解放軍は成長し、また有能な人材が多く居るのだ。力の差はあまりに歴然としている。


そんな中、天流達は城内を駆け抜け、最上階へと辿り着いていた。
長い廊下の突き当たりの扉を開けば、その先には美しい庭園が広がる。

更に奥には・・・・・・。



「解放軍リーダー、天流・マクドール・・・。よくここまで来てくれた」


重く、威厳に満ちた低い声が風に乗って天流達に届く。

この場の全員が瞬時に理解した。

声の主こそ、“黄金の皇帝”バルバロッサ・ルーグナーだということを。


なるほど、と誰もが納得した。
この人物ならばテオ・マクドールを始め、多くの有能な武将達が命を掛けて仕えたわけだ。
今では悪い評判ばかりが流れているが、こうして見る限り彼は偉大な人物に思えた。
陰りを帯びながらも他を圧倒する存在感を持ち、厳しい中にも温かさと寛容さが窺える。
全盛期であれば、どれほど輝きを放っていただろう。

忠誠心とは縁遠いルック以外が、思わず皇帝の雰囲気に呑まれそうになった。
だが、皇帝バルバロッサを上回る覇気の持ち主が目の前にいたため、彼らはすぐに平常心を取り戻したのである。


「お久しぶりです、陛下」

さすがに天流には微塵も動揺などは現れていない。

「見るがいい、この庭を・・・。花が咲き乱れる美しい場所だ。私に残された最後の帝国領だ」

声は疲れを滲ませ、自嘲を含む。
トラン全土を手にしていながら、今残っているのはこの庭園だけ。


「貴方は自ら手放したのでしょう?」

一国の主に対してすら、天流は冷ややかに言いきった。
バルバロッサはそれに対して怒るでもなく、「そうだな」とだけ呟いた。

「だがな、天流。私はこの帝国を守る。この手で、この最後の帝国領を守ってみせるぞ!!」

鞘から抜き放たれた剣が天高く掲げられる。
天流とルックの右手に電流が走ったかのような衝撃が走り、その剣が持つ意味を瞬時に知る。


「我が竜王剣よ、力を!!」


剣から眩いばかりの光が迸り、バルバロッサを包んだ。

次の瞬間には天流達はまるで異空間のような場所に立ち、敷かれた魔方陣から巨大な生き物が出現した。

「何だ、これ!」

「黄金の・・・竜!?」

現れたのは3つの頭を持つ黄金の竜だ。
不規則に蠢く3つの竜の首は、目の前に立つ天流達を威嚇して耳をつんざくような声を上げる。

「覇王の紋章の力の具現だね」

耳障りな声に眉を寄せながらも、冷静にルックが言った。

「覇王の紋章・・・黄金の竜・・・」


数年前・・・テオ等帝国将軍達と共に民のために蜂起した頃の清廉なる皇帝であれば、その神々しい姿に膝を付いたかも知れない。


けれど・・・



「竜は孤高の存在。万物の王だ。今の陛下では些か役者が不足しているな」



軽い金属音を立てて剣や短剣が抜かれ、黄金竜と対峙した。










黄金の竜が倒れたその場所には、いつしか満身創痍となったバルバロッサの姿があった。
あの竜は、皇帝自身だったのか。

いつの間にか空間も元に戻り、周囲には空中庭園の美しい花々が風に揺れていた。


「皇帝陛下!!」

突然、誰かの声が響き渡った。
向けられた視線の向こうから、カシム・ハジルを先頭に元帝国将軍達がこちらに駆け寄って来る様が見えた。

今にも倒れそうなバルバロッサの前で立ち止まった彼等は、悲痛な面持ちでかつての主君を見る。

「皇帝陛下、あなたは変わってしまった。何故です? 我等の信じた貴方は・・・」

「カシムか、懐かしいな。お前達と戦った日々が懐かしい」

眇められた目が遠い過去を懐かしむ。

将軍達の間を抜けて天流が目の前に立つと、バルバロッサは更に穏やかな表情となった。
彼の脳裏に浮かんだのは――失った友の面影。

だが、深い信頼に満ちていた彼とは違い、向けられた瞳はひどく冷静で何の感情もなかった。

「訊いても良いですか? バルバロッサ陛下、貴方が何故我々を裏切ったのか。貴方に敬服したトランの民を、何故見捨てたのか」

「裏切り・・・か。確かにそうなのだろうな・・・」

「貴方の為に、多くの命が消えていった。多くの無辜の民が苦しんだ。国が二分し、内乱が起き、それでも尚貴方は戦おうとした。無駄な足掻きと解っていながら」

「ティ、ティエン殿・・・」

冷酷とも言える天流の言葉に、流石に動揺したのかカシム・ハジルが窘めようとする。
対してバルバロッサは苦笑を浮かべただけだ。

「聞けば、不快になるかも知れんぞ。おそらくそなたは、私のような理由で戦うことはない」

「・・・・・・?」


言葉を重ねようとしたその時。

「バルバロッサ! なんだい、負けてしまったのかい。黄金の皇帝の名が泣くよ」

馬鹿にした口調で妖艶な美貌に冷酷な笑みを浮かべ、ウィンディが現れた。

一斉に剣が抜かれる音が響く。
数本の切っ先を向けられても、ウィンディは動じる気配はない。
彼女の射すような視線が天流へと注がれる。

「もうこの帝国はおしまい。でもね天流、あんたの“ソウルイーター”、それだけはもらっていくわ! さあ、その紋章を渡しなさい!」

勝ち誇った表情で天流の方へと踏み出すウィンディ。
彼女の右手が光を帯びると、天流の右手にも衝撃が走る。
ところが、まるで彼女の接近を拒絶するかのように、天流の右手が強烈な闇の光を発した。

闇に覆われた空間に天流とウィンディだけが呑み込まれ、取り残される。

次の瞬間。
ふいに現れた光が人の形を象った。

(・・・っ!?)

天流の琥珀の双眸が大きく開かれる。

闇の中にさらりと流れる亜麻色の長い髪の若い女性。
僅かな間しか共に過ごすことができなかったが、その人物を間違えるはずはない。

驚く天流の前に、さらに一人現れ、今度は金色の髪が闇に映えた。

次に屈強な身体の武将。

そして、一人の少年の姿が暗闇の空間に浮かび上がる。


4人はウィンディを取り囲むと彼女の動きを封じた。


まばたきほどの後、闇はすっかり晴れていた。
天流の目の前まで迫っていたウィンディは、弾かれたように後方に下がっている。

「な、何故なのだ。ソウルイーター、何故私を拒む。生と死を司り、魂を盗む、呪われたお前、ソウルイーター、お前にはこの私こそ相応しいのではないか、ソウルイーター! この世で最も呪われた紋章よ! お前さえも私を受け入れようとしないのか!!」

鬼気迫る形相で天流を・・・いやソウルイーターを睨み付けるウィンディに、バルバロッサの手が押し止めるように肩に触れた。

「もういい、やめるんだウィンディ」

「何をする! お前など私の魔力で」

「無駄だよウィンディ。私の持つ竜王剣“覇王の紋章はいかなる魔力も受け付けない。それが“門の紋章”の力であってもな」

「しかし、お前はブラックルーンで・・・・・・」

「それもまた戯言に過ぎない」

逞しい腕にウィンディの身体を抱き、バルバロッサは庭園の端の方へと移動していく。
彼の思惑を感じ取ったのか、ウィンディの顔色が変わった。

「な、何をする気なのバルバロッサ」

「私はお前を愛していた」

「嘘よ、お前の愛していたのは私の中に残るクラウディアの面影よ!」

「それは違う。私は、お前の瞳の奥に沈む哀しみを消したかった。受け入れられぬ者の哀しみを。私は、お前を愛した。しかし、それは間違いだった。私の犯した、ただ一つの過ちだ。そして、それは許されるものではない」

もがくウィンディを強く抱き締め、尚も後ろに下がりながらバルバロッサは天流を見た。

「私は、私の帝国を自分の過ちによって失った。天流、君が果たしてここに、どんな国を作るのか・・・」

もう、これ以上下がれない程下がり――事態を察したカシム達が駆け寄るよりも先に、バルバロッサとウィンディの身体は一瞬にして消えた。・・・いや、落ちた・・・飛び降りたのだ。

「バルバロッサ様!」

「皇帝陛下!!」

帝国五将軍達の血を吐くような叫びは、虚しく空に吸い込まれていった。

慌てて二人の姿が消えた場所まで走り寄った将軍達は目を凝らして下方を見渡し、皇帝の姿を探したが、やがて力が抜けて座り込んだ。


「皇帝の最後だ・・・」

「ああ、そして帝国の最後だ・・・」

ビクトールとフリックが小さく呟いた。



沈黙は永遠にも感じられたが、間もなく地響きのような音が鳴り響いた。

伏せられていた顔が一斉に上がり、彼等は元来た道を引き返し始める。



バルバロッサ・ルーグナーは死去した。

この時、一つの歴史が終わったことに間違いはない。



その偉業を成し遂げた解放軍リーダー達は、崩れ落ちていく城内を走り抜けて行く。



ひたすらに走ったり戦ったりばかりのこの状況に、珍しくルックは文句を口に出さず、不機嫌を態度に出さなかった。


彼が気に掛けているのはただ一つだけ。



真紅に染まった瞳で何かを睨み据えるように考え込む、天流のことだけだった。



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今回はほぼゲームのストーリーそのまんまでした(苦笑)。
パーティーは6人までなんですけど、7人にしちゃいました。
さらに戦闘シーン省いちゃった(汗;)
しかも何だか怖い終わり方ですね。坊ちゃん、密に苦悩中です。

次回はフリック、ビクトール、マッシュとの別れ、そして戦争の終結です。



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