□ こねこのにっき □

12月 30日
家って放置しておくと樹海になるのね・・・。
お父さまのおかげで腐海は見たけど、廃墟は初めて。
やっぱり家は誰かが住んでこそ家なのね。
それにしても野良猫たちは掃除してくれなかったの?
あら仔猫・・・まさか燕青の・・・。
んなわきゃない。
そもそも猫にこんなでかい家を与える方がおかしいんだよ。
すっかり野良猫の根城になっちまったし。
それと姫さん、ふつーの猫は掃除なんかしないぞ。
ずっとそばにいたのが静蘭だからって
あいつを一般の猫の基準にしちゃいけない。
普通の猫は州牧もしないと思うがな。

ささ、お嬢様、こんなお化け屋敷は放置して、
年越しは悠舜殿の邸で迎えましょう。
心の友の実家ほどではないが、
この樹海の邸も良い風情ではないか。
愚兄のゴテゴテと無粋な邸に比べても何とも味わい深い。
ここは一つ、私の感動を歌にして皆に伝えよう。
ふふ、秀麗殿と静蘭殿が掃除してくれたので
私の邸がとても綺麗になりました。
良い気持ちで新年を迎えられそうです。
おや? この報告書は・・・
『無人のはずの州牧邸から怪奇音、謎の呪詛による被害続出』

・・・・・・・・・なんとまあ。
―その頃の貴陽―
ようやく腐海から抜け出したのだ。
絳攸も楸瑛も凄いな!
特に絳攸、あれだけ盛大に迷いながら
しっかり掃除をしているなんて職人業なのだ。
・・・・・・・・・終わったか・・・・・・。
もう何年もこの邸で彷徨い続けた気がする。
陽の光も久しぶりだな・・・。
・・・・・・ああ、うん・・・、君からすればそうだろうね。
素晴らしい迷子っ振りだったよ。
ところで邵可様の部屋の箪笥に白菜を並べたの君だろ?
混乱っ振りがよく解るよ。
いやあ、今年もありがとうございます皆さん。
お疲れでしょう、今お茶を淹れますからね。
ああ、そうだ、先日買い置きしておいた
お茶菓子があったと思ったけれど、どこだったかなあ。
あ、兄上、お探しものでしたら私も一緒に探します!
―数分後―
・・・・・・・・・・・・何だ、この惨状は。

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